レーシックに関するよくある質問を、私なりにまとめてみました。参考程度に読んでいただけたらと思います。今日は【レーシック手術全般編】です。
【レーシックで失明する可能性は?】
今のところ、レーシック手術によって失明したという事例は1件もありません。レーシックは角膜の一部を削るだけで、眼球の内部には触れない手術です。経験豊富な医師に正しいレーシック手術をしてもらえば、失明することはまずないと言えます。
しかし、過去に医療器具の滅菌不足による感染症で角膜移植が必要になった例があります。そのような危険を回避するためにも、徹底した衛生管理がされている施設で、衛生に関する正しい知識を持った医師にレーシック手術をしてもらうことが大切です。
【失敗する可能性は?】
これは何をもって「失敗」とするかで答えは変わります。「失明」を失敗とするならゼロですが、視力が思ったほど回復しなかったことを失敗とするとしたら、中程度近視で1.0以上になる確率は97%、強度近視で92%なので、平均して約95%の人は成功、残り5%は失敗ということになります。ただしこれは1.0以上にならなかった場合で、0.7を基準にすればまた変わってきます。レーシックで必ずしも全員が満足のいく視力になれる訳ではないことを覚えておきましょう。
手術中の失敗として、ごく稀にフリーフラップやボタンホールフラップになることがあります。フラップの作成時、本来は角膜の一部分は切らずに繋げたまま残さなければいけないのですが、完全に切り離してしまうのがフリーフラップです。また、薄すぎるフラップを作ってしまい、真ん中に穴の開いたフラップができるのがボタンホールフラップです。どちらも執刀医のミスによって起こりますが、経験豊富な医師の手術であればそれほど心配する必要はありません。
【合併症はどんなものがある?】
感染症・・・どんな手術であっても、感染症を起こす可能性はあります。衛生管理を徹底しているクリニックを選び、ご自身は術後の注意事項(点眼をしっかり行なう、禁止されている行為をしない等)をきちんと守ることで防げます。
角膜の炎症・・・手術の翌日〜4日目の間に発生する炎症です。通常は点眼や内服で治療しますが、重症の場合は角膜をきれいに洗浄する処置が必要になります。炎症がきれいに治れば問題なくなりますが、重い炎症の場合は完治に数ヶ月かかる場合があります。
フラップのシワ・・・フラップを薄く作らざるを得なかった場合、薄いフラップにシワが生じる場合があります。検診で分かるので、きれいに伸ばす処置が必要となります。
上皮の傷・・・高齢者や角膜に古傷を持つ人の中には、稀に角膜表面の傷の治りが遅い人がいます。医療用コンタクトレンズや点眼の治療などで治りますが、傷が治るまでは目に違和感があり、視力回復に時間がかかります。
角膜の歪み・・・極めて稀ですが、手術後に角膜が薄くなりすぎたり、レーザーがズレて照射された場合など、角膜が歪んでしまうことがあります。
上記のような重症な合併症は、非常に稀です(5000人に1人くらい)。異物感、しみる感じ、見えにくさ、ドライアイなどの軽い合併症が起こる人は多いですが、これらは時間の経過と共に改善されます。夜間に光がにじんで見えるハロー現象、眩しく見えるグレア現象などの夜間視力の低下は、術後半年程度で改善します。
【レーシックをすると、老眼が早まるって本当?】
誤解している人が非常に多いのですが、レーシックが原因で老眼が早まることはありません。老眼は加齢に伴い調節力の低下や水晶体の硬化が進むことで、屈折異常とは関係なく40歳代になれば誰でもなります。近視の人はもともと近くにピントが合っているので、裸眼であれば手元はよく見えます。しかしレーシックで近視が治ると、今度は遠くがよく見えるようになるので、手元が見え難いことを自覚しやすくなります。この現象が、老眼が早く来たと誤解をさせるのです。レーシックをしても、いつかは老眼になり老眼鏡が必要になります。ただ、近視用眼鏡は要らなくなり、近くの物を見る時だけ老眼鏡を使えば良くなるので、その辺はメリットとなり得ます。
【手術後、視力が低下することはある?】
よっぽどの強い衝撃が眼に当たってフラップがズレるなどということがない限り、急激に視力が落ちることは考えられません。パソコンなどのデスクワークや目を酷使するなどの生活環境によっては、近視が戻ってしまう可能性はあります。レーシックの結果に頼らず、手術を受けた本人もきちんとケアしたり注意しなければいけません。万が一視力が低下した場合は、医師の診察によって再手術を行うことがあります。再手術が必要になるのは全体の1〜2%程と低い確率ですが、ゼロではないということをきちんと認識しておくのが大切です。
【より高い価格の手術が優れた手術なの?】
これも誤解している人が多いのですが、高いから良くて安いからダメということはないです。レーシックは自由診療なので、価格も自由に決められます。高い手術=良い手術と考える人を逆手に取って、実際は安くできる手術を高い料金設定にしていたとしたらどうでしょうか。適正価格かなんて、患者には分からないことです。レーシックは価格で決めず、執刀医の経験や症例数(クリニックの症例数ではなく医師個人の症例数)で決めた方が良いです。
【手術中は痛い?】
これは人にもよりますが、麻酔の目薬をするので殆どの人は痛くないようです。開瞼器による違和感や触られている感じ、押される感じは分かります。周りに貼ったテープを剥がされる時が一番痛かったという人もいます(これが結構多いんです)。
【手術後はどれくらい痛い?】
これも個人差がありますが、一番よく聞くのが、タマネギが目にしみるような痛みです。これは痛み止めの点眼薬ですぐに改善されます。この痛み止めの点眼薬は傷の治りを遅くさせるようですので、使い過ぎは良くないのですが、そうとは言え我慢し過ぎないようにしましょう。異物感、しみる感じ、ドライアイなどの軽い合併症は、時間の経過と共に改善されます。
【医療保険は使える?】
少し古いタイプの保険に長い間加入している場合は、レーシックが給付対象となっている可能性があります。しかしこれから保険に加入するとなると、レーシックは給付対象外としている保険会社が殆どです。
詳しくは、過去の記事を参照してください⇒生命保険に期待は禁物!
【レーシックをしていない眼科医もいるけど・・・?】
たまに、眼科医がレーシックをしていないのがレーシックの安全性の答えだみたいなことを言う人がいるのですが、果たしてそうでしょうか。確かにレーシックの経験がある医師の方が信憑性はあるかも知れませんが、検査したらレーシックが不適合だったとか、眼鏡の方が仕事しやすいとか、眼鏡が好きとか、レーシックをしない理由はいくらだって考えられます。自分はしていないけれど、自分の子供がレーシックを受けたという医師もいます。レーシックが本当に危険な手術だったら、自分の子供が受けると言ったら反対するのではないでしょうか。医師自身がレーシックをしていない=レーシックを否定しているとは、一概には言えないと思います。
他にも質問を見付けたら、随時追加していこうと思います。
次回は、【レーシックの後、OOできる?編】を書く予定です。
